第二回「楽に仰向けに寝る」

「さわやかお産~楽なお産を目指して」二回目

★妊娠して変る、感覚と気分。

妊娠すると感覚、気分が変化して、今までとはあきらかに違うものになってくる。
感覚的には、わずかに違うと感じとることができるものから、はっきりわかるものまで、それぞれのレベルに応じてわかります。
妊娠して変化する代表格はつわりです。これは妊娠した後でわかるケースです。

◆妊娠後にわかる。

とても希な例ですが、妊娠する前に、妊娠後の変化がわかる人がいる。
妊娠する少し前か5~10時間前、あるいは2~3日前か2週間前にわかるのです。 わかるというのは感覚的に「感じる」ことをいいますが、もう一つは第六感的にわかること、感知することもいいます。
この場合の感じるとわかるは異口同音です。

変化したことがわかるのは、感覚や気分を感じたり第六感でわかるからで、そうでなければ知ることは不可能です。 妊娠して変化することを、妊娠する前に感じるというのは、あまり知られていません。
これは妊娠する前にわかるケースです。

◆妊娠前にわかる。

妊娠してわかることと、妊娠する前にわかる。
感覚、気分、雰囲気さえも変るのです(注6)。

変化する体表格がつわり感で、これはいやらしさの代表格でもある。その反対側に位置するすがすがしさ(清楚感)。
また内側が喜びを感じてウキウキしているもの。内側にとらわれがないので「すがすがしい」のです。 ウキウキしていても内側は落ち着いています(注7)。

前者は不快な毎日を送ることになる。
後者はうれしい快適感で、毎日たのしい雰囲気ですごすことになる。
清楚感やウキウキ感の発生した人は、陣痛と分娩がきつくても苦痛さを感じなかったり、陣痛と分娩が軽いか、スルッと生まれる人です。

◆清楚感やウキウキ感の人は、お産を楽と感じる。

敏感に注意深く生活している人や、感覚的に生きている人はわずかな変化も感じとります。 ですからいつもと違う感じがすると、さらに注意深くなって慎重になり、感覚から外れることをしません。
だからといって少しも緊張していません。いたってゆったりとした雰囲気です。 このように感覚的に生きることができる人を、ハートタイプといいます(注8)。

そういう人たちの生活はゆったりのんびりです。それでも感覚は鋭いのです。
感覚は鋭いですが眼はやさしく、融和な感じを漂わせています。 清楚感の人は眼が澄んでいて内側に邪念がありません。まさに清楚なのです。

感覚が鋭いというのは、物事の裏側を感じとるようなものなので、説明も文章も簡素でわかりやすく、それでいて深遠な文面を書くことに才があります。 ハートタイプは腕力や暴力と一切無縁の世界にいて、普通の生活を送っています。

めずらしい例ですが、妊娠前にわかる人たちの中には、知覚したことをわからないままでいることもあるのです。
知覚したのにわたらない!?
わかっていても注意を払わないだけです。

変化する感覚は次のようになっています(表4)。

妊娠前に妊娠後の感覚がわかるタイプは、地震のくるのが前もってわかる人たちです。
自分の内側で次々に変化することはわかるが、何がどのようにといった細かなことはわかりません。 何かが変化することや、変化を起こすきっかけが現れることがわかるのです。
自然現象の変化はおおむねわかるようです。

★不快になる。

はっきり不快とわかるものがつわり感。
ところが、つわりのない人もいる。
つわりは不快の代表格で、次が腰痛と肩こり、背部痛、そして8ヶ月目あたりからのむくみ。 どれもこれも妊娠体が苦労するものばかりです。腰の痛みは妊婦の定番といってもいいくらいです。

この妊婦の定番、一般の腰痛と似ているようで異なり、異なるようで似ています。 何がどう違うとはっきり言えないのですが、一般の腰痛とは少し様子が違うのです。
もしかすると新しい命を育むというのは、そういうことなのだろうかと考えることがある。

◆腰の痛みは妊婦の定番。

★腰痛(2)

仙骨が剥離して、腸骨が開いてくる。これが分娩のための準備です。
妊婦の多くはそれが原因で腰痛になる。 分娩に向けて準備中の機能によって、分娩に向かっている体が腰痛になるのです。

そのことをよく観察してみると、体が体を診断していた結果であることがわかります。つまり、自分で自分を診断しているのです。
腰のある部分が分娩に向けて準備されていないことを、痛みで知らせていたのです。

腸骨の開き方がスムースで生体機能に問題がないときはいいですが、開きが不十分で生体機能に問題があると痛みがでてくる。
つまりある部分に不都合があると、このままではまずいから何とかしてほしいと、その部分が痛みで知らせてるのです。 腰周辺部の痛みのほとんどは、それによるものです。

そうすると、分娩に向けて準備中の生体機能は、体が分娩に適しているかどうかを自動的に診断していたということにもなる。 まさに体は考えて判断していたのです。

体に歪みができて機能的に不都合が生じたときは、じっとしていても違和感・だるい・痛みといったことで知らせている。 動くと動きにくい・痛い・動きがスムースでないといったことで、異常を知らせるのが正常な体です。それが自然というものです。
正常に機能して防衛反応が整っている体であれぱ、当然そうなるのです。 したがって、痛みが悪いのではなくて、痛みの原因が問題なのです。

◆体自らが診断して、痛みで知らせている。

腰の痛みがでるところは腰椎・仙骨・腸骨(骨盤)・股関節・ソケイ部・尾骨・恥骨・坐骨といったように腰周辺部の骨全部で、しかも範囲が広い(図1)。

仮に、 その全部で痛みがでても動きは連動するので、ある動きが他のとこの痛みをとるようになっています。
たしかにそうなっているのですが、妊娠体の腰周辺部の場合はそれが当てはまらないことが多い。

骨盤の開きが不十分なのは、構造のほうに問題があって十分に開かない・構造に問題はないが十分に開かない、この二つのことが考えられる。 ですから妊娠体の腰痛は、構造的なことと骨盤の開きや後遺症などが要因となっていることはたしかです。

また後遺症と分娩の準備が重なってでる痛みは強くなることが多く、痛みをとってもすぐ再発する傾向にある。 とにかく直りにくくなっている。昔の古傷というは、とにかくめんどうなことをするものです。

胎盤の位置の下がりすぎや子宮筋腫の影響によるものや、骨盤の開きが何かのきっかけでズレたために痛くなるといったように、腰痛の原因はさまざまです。
歪みの影響は下から上にが響きやすいという原則通りに、腰痛は上部に影響して、肩甲骨とその周辺を硬くしてだるさや痛みを作る。 背中と腰の痛みやだるさは陣痛を強めて分娩を長引かせる原因になっています。

◆腰痛の原因は多く、他にも影響する。

妊娠体とは、あらゆる機能が分娩に向けて総動員されている、しかも一般では相当な障害になるものも、 新しい命を抱えていることで最小限になるよう自然に配慮された「ありようの体」のことをいう。
その自然の働きが100%生かされなかったり、疎外されると長引く分娩、長時間のお産、ひいては難産というかたちになって現れてくるのではないだろうか。

◆その原因の一つが腰痛。

★生理痛とつわり、腰痛の関係。

独身のときの生理痛は妊娠するとどうなるのかについては、すでに載せた通りです。
では、つわりはどうなのかということを調べているうちに、生理痛(生理不順を含む)とつわり、 つわりと腰痛、肩こり腰痛と陣痛、分娩の関係などの経過と状況を知っておどろいた。

つわりの人は全員がほぼ腰痛になる。
またつわりがあった人たちは、全員が生理痛の経験者で、しかもほとんどが腰痛の経験者でもあった。 それは考えてもみなかったことです。
妊娠前の症状は妊娠すると現在の症状の原因になるとは‥‥‥このようなことは、今まで聞いたことがない。

しかもそれだけではなかった。
つわりが背部をきつくしてだるさを作り、腰痛の原因にもなっている。 それがわかってからは、妊娠を希望する人にはまず生理を整えて、順調に3回あった後に、そして腰痛を解消してから予定するように進めている。
それがさわやかお産の1項目です。

つわりの原因は体の歪みと、精神的なことが影響して起きます。
生理痛と腰痛がつわりに、つわりから腰痛へと、一つの原因が周期に応じてさまざまな症状になるということです。
しかし中にはつわりに関係のない腰痛者もいます。

生理痛と腰痛の関係では、生理痛イコール100%腰痛ではないこともあります。 生理痛と腰痛が必ずしも一緒でなかったり隣り合わせでなかったケースです。
そのケースでも、動かして調べてみると腰周辺部にわずかに重苦しい・だるいといったものがあったり、ある方向に動くと違和感がでてきます。

さらに動きの範囲がある方には大きく、反対方向へは小さいといったことがでてくる。 また動きの部位とはまったく関係のないところに不快感や、だるさがでてくる。 腰のだるさは単なるだるさですが、だるさが進むと重苦しさや痛みになるので、腰のだるさは腰痛と同族みたいなものです。

生理痛の原因は腰椎・仙骨・腸骨・尾骨・恥骨・股関節の歪みで、それはまた腰痛の原因でもあるのです。
さらに生理痛には精神的なことや意識性が強くかかわっているようです。
それらをまとめると表5になります(表5)。

3.仰向け寝の方法。

★楽に仰向けに寝る。

妊娠5~6ヶ月目あたりになると、脚を伸ばして仰向けに寝るのが難しくなる。 お腹やソケイ部につっぱり感がでるためです。
仰向け寝ができないと、横に寝て脚を曲げたり伸ばしたりして窮屈さから逃れるようにするので、40~90分くらい眼眼がさめてしまう。
これでは安眠とはいえません。

お腹の張りに関係なく仰向けに寝ることができない人もいる。骨格に歪み(ユガミ)が生じたためです。
そういうときでも、楽に仰向けになってグッスリ寝ることができる方法があります。
この方法で寝ると、9ヶ月目のお腹でも安心です。

A.妊娠5~6ヶ月目。

膝を折り曲げて仰向けになると、楽に寝ることができる(写真1)。

膝の下にまくらを入れて膝を折り曲げるのです。
膝を折り曲げると大腿部、ソケイ部、腹部がゆるむので、楽に仰向けになることができる。

膝まくらで仰向けになるのは、脚を伸して寝るのが難しくなってきた5~6ヶ月目あたりからです。
このように寝ると一般の人でも腰が楽に感じます。また腰痛の人にも効果的です。

◆膝まくらで、膝を折り曲げて仰向けになる。

B.妊娠8~10ヶ月目。

8~9ヶ月目になると一段とお腹が大きくなるので、写真1の方法では少し寝心地が悪くなってくる。 そのときはピローや座蒲団などを使って、写真2のようにすると楽に仰向けに寝ることができます。 頭や背中の高さについては、実際に仰向けに寝て「楽と感じる」ものにしましょう。

家中の座蒲団、ピロー、毛布やその他もろもろのものを総動員して、ガムテープで接着するかヒモで縛り丸めに作る。 それを膝まくらと背中、脚のサポートにします。座蒲団は綿入りのものが適しています。

どのような方法でもいいですから、とにかく楽に仰向けなってグッスリ寝ることです。 このようにして寝ると体がリラックスするので、お腹の重さは感じなくなる。
それについては、六回目の「お腹の重さゼロ」で詳細にします。

◆頭、背中、膝、下腿にピローを当てて仰向けになる。

C.分娩の楽に向けて。

8ヶ月目中頃からは、両膝を窮屈でない範囲に思いっきり開いて寝るようにすると、腹部や内転筋がゆるむので、分娩が少し楽になるようです(写真3)。

こういう体型になることが楽なお産につながります。

骨盤は拡がりながら分娩に向けて準備中です。
その拡がりをスムースにするために、腰周辺部の組織全部がそろって働いています。 必要があって拡がるものは、拡がりやすいようにすると、陣痛と分娩が楽になるのは当然です。

◆膝を開いて寝る。

★知られていない。

膝まくらで仰向けになると体は楽です。
そうすると、この方法で楽に寝ることができた体とできなかった体では、分娩のときに違いがでるのは当然です。 年間100万以上いる妊婦のほとんどが知らないので、早く知ってもらたいですね。

この方法は腰痛者、腰が曲がりだした人などにも効果的なので、実際に寝てみて納得したら友人や知り合い、家族、隣人に教えてください。
それで助かる人がいます。当HPのアドレスを教えて、ぜひ見るようにとメッセージです。

◆実感したら、回りに教える。

★膝まくらの作り方。

楽に仰向けに寝るための膝まくらのサイズは、直径15~20cm、長さ60~75cmくらいがいいです。 この大きさであれば身長170~180cmの人でも合います。

毛布を固めに丸めて、ヒモで縛るかガムテープで接着して作る。
毛布はフカフカしたものよりアクリル製のほうが固くなりやすい。
空のペットボトルを芯にすると固めにすることができます。

◆毛布を固めに丸めて膝まくらを作る。

直径7~8cmの塩化ビニールパイプを使うのも、一つの方法です。
直径75mm、長さ70cmサイズの塩化ビニールパイプ5本を洗って乾かす。
上に2本、下に3本を重ねて台形にする(写真4)。

それをガムテープで接着します(写真5)。
そのままでは気分的に使いにくいので、バスタオルで巻いて使いやすくしたのが写真6です。 写真6ではまくらを使った動きをするとき、滑りが悪く動きがスムースにいかない。
そこでレジャーシートを巻いて、滑りやすくしたのが写真7です。

塩化ビニールパイプは長さを揃えて切断しますが、切断した両端はギザギザになるので、そこを削って滑らかにしておくと、肌が触れても安心です。
これで仰向けになった人の感想によると、写真7のほうが熱がこもらないので、使いやすいようです。 これで今夜からクッスリ寝ができます。

塩化ビニールパイプで膝まくらを作る。

★無意識な動き、自然な働き。

膝まくらによる仰向け寝が楽だからといっても、体からの自然な要求として、寝返りをうったり動いたりします。それは体の微調整をするためです。
新陳代謝と循環が順調にいくようにするのには体に動きが必要です。

3~4時間寝ると寝返りをするのは、窮屈さの解消と微調整のためです。それは自然に体がはじめる無意識な動きです。
無意識な動きは痛みを避けたものになっている。 痛いときは眼が覚めるので、痛みが出るようであれば、体が変調している証拠です。

◆無意識な動きは体を助ける。

寝ているときの無意識な動きは必ずあるものです。 一晩中、寝たときのままの体型でいる人は、まずいません。 たしかに万に一人そうなる人はいますが、ここでは例外扱いです。

必要なことは赤ちゃんについてです。
詳しいことは 部にしますが、産後すぐの方には次のことが役立ちます。

体は硬い骨(硬組織)、軟らかい(軟組織)ものでできている。
体が縦横に伸びることを成長というが、硬い骨と軟らかいものが縦に伸びて、横に拡がるのにはクネクネした動きがいる。

誕生1~3週間後、またたくまに大きくなる心身は、クネクネ動きが必要である。
動きなしに正常な成長はありえない。

むずがったりわめいたりするのは、成長のために必要な「動き」を、心身が自然に求めているためでもあるのです。
単にぐずっているためだけではないのです。それで泣いているのです。

◆赤ちゃんのむずがり、理由を知ろう。

★眠りたいだけ寝よう、そして動こう。

腰痛で苦しんでいた人が、膝まくらによる仰向け寝をして体が楽を感じてくると、体がさらに楽を求めだしてくることがある。 そのために眠くて眠くて、起き上がれなくなることがあります。
本人はどうかなったのではないかと心配しますが大丈夫です。

その眠りが痛みや症状を自然に治癒してくれるのです。
寝ているあいだに自然がすべてをしてくれるというのだから、ありがたいことです。そういうときは、もし状況が許されるのなら、眠りたいだけ寝なさいと教えています。

ただし、眠りっぱなしでは惰眠体になるので運動することや、覇気をもつことも必要です。
体を動かすのは何でもいいです。歩く、泳ぐ、ポーズを作る、ゆっくり舞うなど好きなようにすることです。

◆ぐっすり寝よう、そして動こう。

ゆったりしていても意識を内側に向けるようにすると、気持ちがシャキッとしてきます。
それにはお腹が大きい今がチャンスです。7~10秒のあいだお腹を意識するだけでいい。
この際だから、やってみましょう。

◆7~10秒、あるいは20秒間、お腹を意識する。

◆注6

妊娠による感覚、気分の変化。 これはエネルギーの不調和を意味し、マタニティ・ブルーといわれるもの。 人間が自然から遠ざかっているのか、いないのかに応じて心身に現れる現象の一つともいえる。 心身では主に前者が要因となって現れるが、その場合エネルギー治癒が効果的。

◆注7

すがすがしい(清楚感)。 妊娠したことで発生する感覚で原始時代からそうであったと考えられるもの。 妊娠して快適感になるのは、人間が自然と調和した証。 調和したときの分娩は、エクスタシーを感じたものになる。 調和しないと陣痛と分娩はきついものになる。

◆注8

ハートタイプ。女は子宮で物を考えるといわれるが、まさにそれをハートタイプという。 つまり胸で感覚的に、直感的に捉えることをして、 頭で解釈することをしなので理屈をこのまない。 ハートは「柔らかい心・暖かい心」、気持ち的、感覚的にとなる。 内面にとらわれがないため、安産型ともいえる。

マインドタイプ。
理屈を好み、あらゆることを理論で理解するタイプのため、 暖か味が不足し、話しや物事を感覚的に捉えることができない。 理屈とは脳味噌のカスのことをいうが、内面にとらわれを作りやすい。 マインドには想念的の意味もある。

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