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妊婦の不快感解消法。
 茂貫雅嵩「操体法の実際」著者 文責

1.妊婦の不快感・肩こり腰痛。

妊婦の70%に肩こり腰痛があり、その解決法が見つからないため苦しんだままでいる。

あまりにも痛いので検診時に訴えるのだが、「それは妊婦の宿命よ」の一言で片付けられるとか。

不快感(妊婦による痛み全部を不快感と表現する)解消法を持ち合わせていないことによる一言である。

最近は助産院もリフレクやアロマをやりだしたところがあるようだ。

不快感の訴えに少しでも答えようということなのだろうが、現実は厳しい。


2.現状。

今年の3月から、助産師と看護師を対象にした妊婦向け不快感解消のセミナーをはじめた。

そこでわかったことは、助産師の90%以上が病院勤務であり、開業者はごくわずかしかいないということである。

開業者も出張が主で、行政からの依頼や個人の問い合わせを消化することで手一杯だという。

現実は誰もが妊婦の不快感を解消できないので、解決策を探している。

勤務者が自由にできる時間はせいぜい5〜10分というが、それでは何もできない。

治療界では妊婦は周産期によって禁忌症あつかいであり、不快感解消の治療には消極的だ。

それでも冷えと逆子に鍼灸が効果を上げていることを耳にしている。


3.助産師の集り。 

妊婦向けの不快感解消法は、初期は一般向け操体法・体感、うつ伏せができない体型はSE(Soma Energy)、分娩後は操体とSEを組み合わせて用いる。

ところが、操体にはじめて接する助産師にそう説明しても、何がなんだかわからないというのが実情で、理解するまでには少し時間がいる。

二人一組による実技を行うと即効果が表れるので、操体とSEには信頼を寄せている。

しかし助産師としての立場の時間がないため、今は妊婦に接することができる人たちによるセミナーになってきている。



4.妊婦の集り。

A)7/19日。

7/19日は、東中野で2回目の妊婦向けセミナーを行った。
ここで、始めてSE資料を使った。


SE資料にもとづいたセミナーの始まりであり、参加者も正式なSEセミナーの初の受講生ということになる。

操体ではすでに、子供からお年よりまで対応しているが、これで成人女子から分娩後までを含めることができる。

当然のことながら、妊婦の肩こり腰痛などは、特殊な状況のものを除いて100%対応できる。


SEは妊婦に対応した一連があり、番号を添付してある。

配布したSE資料には、ファイルする0〜69までの内訳を載せたが、今回は0〜22番の必要なものと、それに対応した操体法をファイルした。


00番について説明した。
動き方は図のようになる。


これは基本中の基本で、一般的な意味におけるあらゆる体の状態に対応できる。

00番によってどのような反応を示すか、それで次の方法を決めることになる。

たとえばこのケースではSE−05か07、あるいはSE−10、または21にというように、自覚症状や不快感に対応して次のSEを選ぶことができる。

00番、つまり、これからスタートですよの意味になる。

状況によっては、操体法・体感(体性感覚)をすることになる。そこで資料はSEに対応した体感がファイルされている。



SEは動くと効果がある。
孕んだ人たちは熱心だ。

それは救いてあり、可能性のはじまりとなる。

必死になるのは不必要だ。
気軽に、楽しく、やんわりとするのがいい。

骨盤のズレや腰痛は妊婦にとって大敵で、その解消には動きを日課として行うことにつきる。

SEの動きは柔らかで静かであるから、妊婦に必要なものを多く含んでいる。
また柔らかな動きは実践していると体が順応し、柔軟になり、新しい動き方に同調しやすくなる。 

だから、いつでも必要とするとき行なえばいい。


B)8/15日。

中野・女性会館で「妊婦向け実技参考会」の1回目を行った。

この集りは以前からの構想で、萌企画の高橋ライチさんに話したところ、彼女も同じことを考えていたので実現した。

妊婦の不快感(肩こり腰痛などの総称)の内で、病的によるもの以外は、快適な自力の動きで解消できる。

病的なものでも不快感が軽快感に変わる。

そこでやり方を妊婦さんが覚えて実践すればいいわけで、それを助産師や鍼灸師など治癒にかかわる人たちが見学して参考にするという集りである。

3か月目〜11/25日予定日までの人たちで、取り立てて痛い苦しいという人はいなかった。



いつものように、まず、膝を立てて寝るための体型を覚えてもらう。

これは「妊婦も簡単に仰向けになれる・お腹の重さがゼロになる」ことを体験してもらうためのもので、この二つを覚えてもらえば、妊婦向けは50%が完了したといっていい。

固めに丸めた毛布やバスタオルを膝裏においてリラックスする。
写真2はそのサンプルで、8/15の光景は以下のアドレスで見ることができる(写真2)。


http://bonnefemme.info/
 http://plaza.rakuten.co.jp/bonnefemme


丸めた毛布類の厚さは、膝裏が高さ10〜15cmになるくらいが適しているが、膝の高さは個人に合わせて調節する。

それが脱力させるための方法である。

この体型が、仰向けとお腹の重さゼロを実現する。

現在、膝裏用の「膝まくら」を試作しているが、これがあると毛布以上の使い方ができるので、妊婦には朗報となる。


妊婦が仰向け体型になると、孕んだお腹が腹直筋・外腹斜筋・そけい部・縫工筋・大腿四頭筋に緊張を作るため、下腿を伸展することができない(図2.3)。


緊張は苦痛を生じさせるため、仰向けになりたいのに、なれないのである。

そこで横寝をする。
お腹の大きい妊婦が片方の体側を押し続けていると、お腹の荷重が一方向に偏るため短時間で苦痛になる。

苦しくなると寝返りをうつため、睡眠は短時間になるので熟睡を妨る。

膝まくらがそれらの苦痛から解放してくれる。
5か月以上の人は、この方法を知ると安心して仰向けになれるので大いに喜ぶ。


5.お腹の重さがゼロになる。

膝下に丸めた毛布やバスタオルおいて、膝を屈曲させた体型になると、下肢は脱力する。

孕んだお腹が腹直筋・外腹斜筋・そけい部・縫工筋・大腿四頭筋に緊張を作るので、下腿を伸展させられない。

それが妊婦の仰向けを邪魔している。

そこで下肢の緊張を解除すると、仰向けができるようになる。

下肢を脱力させた「膝屈曲」体型で仰向けになると、それらの筋と腱も脱力した状態になるので、体はリラックスするという仕組みである。

これでお腹の大きい女性は、ゆったり気分で仰向けになれる。


膝下と臀部、腰椎部の力学関係のバランスを計った仰向け体型は、お腹の重さをゼロにする。

孕んで荷重を受けているお腹は、重さがゼロになると、体全体の緊張から急速に解放されるため、極端にリラックスした状態になる。

すると、急速に睡眠がはじまる。

仰向け体型で腹部の荷重から解放されるのは、本人にとってまさに理想的といえるのだが、実はお腹の中も理想的な環境を得たことになる。

このことは産婦人科医も世間も知らない。



孕んだことによるお腹の荷重は、お腹の中に圧迫感を作るため、胎児にとって少々窮屈である。

ある範囲の圧迫はいいとしても、限度を超えたものには抵抗する。
この圧迫と抵抗が腹圧を高くし、結果、お腹の膨らみを大きくする。

そのあたりのメカニズムは、さっぱりかわからないが、とにかく体を動かしてみるとそうなっていることがわかる。

その圧迫感から解除されるのだから、お腹の中にとっても気分がいいのは当然だ。

したがって、膝屈曲体型による仰向け姿勢は、妊婦と胎児にとって理想的といえる。


アイコン妊婦の膝まくら  
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